13歳アニスと35歳大佐がいちゃつくのなんて、有り得ない!と思う方は注意。
それでも宜しければ、↓へどうぞ〜。
誤字脱字あれば何なりと。
<掴んでは零れ落ちる砂の様>
今日の晩御飯はカレーだった。
食事当番の私は、アニスちゃん特製スパイスを利かせた極上のカレーを皆に振舞う。ティアもナタリアも手伝ってくれたけど、ナタリアは包丁で指切るは、カレーに変な訳分からないものを入れようとするわはで、ちょっとしたハプニングがあぁぁーーーー
……まあ、無事完成したから良しとしよう。
食事が終わった後は、皆「ご馳走様〜」やら「おいしかった〜」とか言って、それぞれ散っていった。
その後はきっちりと後片付けを終え、私は「ああ、疲れたぁ〜」とかうなだれつつもこんなところで力尽きるまいと、渾身の力で体をソファーへと運ぶ。そしたら、そこで大佐が読書していた。疲労困憊の私はそれを気にする余裕もなく、どかーーっと顔からソファーへとなだれ込む。結果、不服にも大佐の膝に顔を乗っける体勢となった。その状況を修正して、座るのも面倒になってそのまんま。大佐特有の香水交じりの匂いが鼻に付いた。仰向けになってその匂いがする当人を見てみると、本の字を追うのに忙しいらしく
「ア二ース、私の膝を使うとは良いご身分ですねぇ。」
と反応しただけで別に私を無理に起こそうとはしない。普段だったらすぐ、「どきなさい」とか言って邪魔者扱いでもしそうなのに……めずらっしい〜。だから、私は反応が無いのをいい事に、密かにこのままここで寝てやろうかと思いついた。
ふと、赤い真剣な瞳が目に入った。相変わらず目に痛い色で見るものを恐怖を覚えさせる、そんな大佐の目。まじまじと確認する様に見回す。大佐と顔が良く見える目と鼻の先にいるのは、ひょっとしなくとも珍しいのかもしれない。いつもなら何一つ変わらないその表情を何とも思わなかったし、真意がそこから読み取れないのは既に分かりきっている。ただ、今日はその事実を変えてみたいなと思ったわけで。
本当は大佐の嫌味たっらしい掴み所のない顔が、どんな風に変貌するのか、知りたかった。途轍もなく暇だったのも、きっと原因のひとつだ。都合の良い事に大佐は私の企みには、気づいていない。そうっと体を持ち上げて、素早く大佐の本を横にどける。実際、読書を邪魔されたのを非難する様な視線が私に向けられた気がしたけど。おかいまいなしに私は私と大佐の唇を合わせた。
触れただけの口元は何かすごく冷たかった。体温があるのか疑問なくらい。いや、ホントはないのかも。そんな事を頭で考えながらも、まんまと企みにはまった大佐の顔を見据える。ところが、大佐にとっては想定外の状況ではなかったみたいだ。一瞬顔を顰めたと思ったら、途端にいつもの顔に戻った。その反応が意味したのは、嬉しいか悔しいとかどの感情の類なのかは私には理解できるはずもなく。あんなことをした後だっていうのに、大佐は無言でまた本を読みに掛かった。
(ふ〜ん……何事もなかった様にする気満々ですか、このおっさん。)
何だってこの人は、どうやったって掴めないのか。いらつきながらも私は、面と向かって大佐に言う。
「大佐。カレーくさぁ〜い上に、おやじ臭っっ!!」
「当たり前でしょう。今晩の夕食はカレーでしたからね。しかし、おやじ臭いは余計ですよーアニス。」
と、顔はにっこりとして声の調子は軽かったけれども、大佐の目は明らかに笑っていない。つい、顔を逸らしてしまう私。こんな大佐にさすがの私も反抗するのも気が咎められた。これじゃあ、余計に体力を浪費して疲労を呼ぶのがオチだ。
「はあーぁ……つまんないのー。」
結果はどうであれ、ため息をつくことしか今の私には出来なかった。
(何で、こうなるのかなぁ。……こうなったら意地でもここで寝てやるんだから!)
再び決心した私は、大佐の膝で再び寝転がり、不貞寝を決行する。
(初ちゅーがカレー味なんて……最悪ぅ……)
(重いですねぇ……やれやれ、いい加減どかしますか。)
ファーストキスは甘いだなんて誰が言ったんだか。