『ある暑い日のこと』特別課外活動部の寮にて。



ミーンミーン……



「……ふう、今日も暑くなりましたね。」
「だねぇー、これから35度まで上がるらしいから……ここももっと暑くなるだろうね。」
「くそっ、クーラーは後どのくらいで直るんだ、美鶴。」
「早くても夕方か夜か。このままではまともに勉強も出来そうに無いな。」
「俺だって、このままじゃトレーニングをする気にもならんぞ。」
「そうだな。……時に荒垣。お前は暑いとは思わないか?」


「あ"?」


「確かにな。シンジ、暑くないのか?俺はもう暑くて敵わんぞ。」
「別に。これくらいならどうもしねぇよ。」
「そうか?今、この寮でクーラーが利かない状況は結構きついんだが……」


「荒垣。」
「ん、何だよ桐条。」
「お前が暑くないのは結構だが、私達が見ていて暑いんだ。どうにかならないのか、それは。」
「ふん、こっちを見なきゃ良いってぇだけの話だろが。」
「そう言うなら仕方ない。……実力行使させてもらうとしようか。」
「バカか。テメェにそんなの出来んのかよ。」
「やってやるさ。」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。……桐条君、実力行使って一体、何をするんだい?」
「心配には及びません、理事長。暴力などで解決しようとは思っておりませんので。」
「え?」



「即刻涼しい服装になれ、荒垣!これは部長命令だ。今すぐ上を脱ぐかどうにかしろ。」
「は、おま……」
「ああ、すまないが俺からも頼む。シンジ、今だけは夏らしいかっこをしてくれ!!」
「そ、そんなの俺の勝手だろうが…!テメェらにどうこう言われようが俺は変えるつもりなんてねぇよ!」
「ははは……実力行使ね、さすが桐条君。でも、荒垣君も譲れない理由があるみたいだよ。」
「いいえ、どんな理由があろうとも、彼にはそれ相応の服装になってもらいます。」


「荒垣、部長の私に逆らうつもりか?中々良い度胸だ。」
「桐条……目ぇ座ってんぞ、お前。」
「目つきの悪いお前に言われたくはないな。」
「ああ?生まれつきだよ、ほっとけ!」


「ここまで言って聞かないとはな。……ならば……私が脱がせる!!」

「うんうん。……えっ!?桐条君、女の子の君が!?ちょっとそれはまずいかなー。」
「美鶴!俺も手伝うぞ!シンジ覚悟しろ!」
「いやいや、真田君も止めないとまずいよね、これは。」
「アキ!?テメェまで何する気だよ!」
「私達が暑いのにお前だけが涼しそうな顔してるからだぞ。」
「桐条、お前も引っ付くな!離れろって!」
「暑いから脱ぐと言ったら離してやっても良いぞ?」
「そう言う前に、テメェが一番暑そうじゃねぇか!」
「観念しろ、シンジ!」
「だあーーーっ!!!テメェら暑苦しいぞ、離れろ!」




「……仲良きことは善き事かな。
桐条君と真田君は結構がんこだから、今止めるのは無理そうみたいだねぇ。」






 

 


中学生三年組で理事長も混じってのネタをお送りしました。
三年組は戦う時はすごく纏まっていても、普段はわきゃわきゃしてれば良いなと思います! 

 

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