こんな強さならば望んじゃいない。

 




『無力な望み』





どうか頼むから、生きる事を投げ出さないでいてくれ、美鶴。
例え暴言と虚無がどんなに襲いかかっても。
それをどんなに受け止めきれなくとも。
後ですべて俺に吐き出せば良いさ。

妹が居なくなって、あいつが居なくなって、お前まで居なくなってしまったら、
二人に顔向け出来無い俺が残るだけなんだ。
これなら、てめぇ何してやがるんだってシンジに叱られても仕方がないな。
俺は一人でも生きて行ける強さを手に入れたつもりでいた。



畜生。


こんなにもお前を失ってしまいそうな感覚が怖いだなんて知らなかったんだ。

悔しいくらい役に立たない強さが目の前にあるのを証明するだけで。
いや、知りたくもなかった事実かもしれない。

使命を終えるまではお前は帰る事を許されない身なのは百も承知だ。
でも、何日掛かろうが待っててやるから。
必ずここに帰って来い。
いつもみたいに微笑んでくれれば俺はそれで構わない。


だから、早く帰って来てくれ。








ネガティブ思考な真田先輩。
美鶴が居ないと見た目は平気そうでも、精神面ではダメージ受けまくりなやつを書きたかったのです。

 

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