憂鬱と自己欺瞞。


「怖くないよ、ジン。ペルソナは怖くない。」
「な……何言うとんのや、お前。頭おかしいとちゃうんか!」
「あんたこそおかしいわ。急にそんな事言い出したりして。」
「わしは死にとうない!アイツラに殺されてしまうのが怖いんや!」
「ジン。」
「わしはどこに今おる?ここは暗くて敵わん。頭も回らんし、暗いんや。」
「――ジンはここにいる。ここにいるから、大丈夫。」
「もう、手の震えが止まらん。頼む、チドリ。今だけ、側に居てくれへんか。」
「分かった。いつもなら張り倒すところだけど……今日だけは側に居てあげる。」
「すまんな。」
「……おやすみ、ジン。」

 

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