幼い時のままに、私が貴方の傍へと駆け寄るのにはもう遅すぎて。
でも、あの日からの貴方を受け入れるにはあまりに早い再会で。
正直泣く事も笑う事すらもできなくて、私はなけなしの理性で貴方を拒否するしかなかった。
本当は、子供の様に泣きじゃくってしまえば楽になれたに違いないと思う。
けれど、それは今の自分にはとても露呈し難い行為で。
今更胸に湧いてきた幼い記憶は、きっと嘘だったのだろうと強く思い込ませた。
だって、あそこに居たのはそこに居る様で居ない様な存在の貴方だったんだもの。
そして、どこまでも昔と変わらない微笑みをたたえ、温かい眼差しで私を見ていた。
私はただそれをどうする事も知らなくて。
だから今は、自分を救う為に懐かしい記憶を感じる貴方すら拒絶する。
エリス独白でユーリックとの再会の場面にて。ユーリックが生きてたのに素直に喜べない事情。