[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

 

★風邪引き~ロイド編

 

「ロイドさん、起きてます?朝食、ここ置いておきますね。ちゃんと召し上がって下さ~い。」

「……いらなぁ~い。」

「駄目ですよ。食べないと倒れちゃいます。」

「うぅ~ん…」

「どうしました?」

「何でもない、よ。はぁ…頭痛い。」

 

 

 

「あれ?ロイドさんどうしたんですか?おでこに氷枕乗せて」

「あら、スザク君お早う。実はロイドさん、朝から熱があったんだけど…仕事するって聞かないのよ。」

「それで無理にでもしようとしてるんですね。」

「そうなのよ。私もなかなか動けないから、これはどうかと思ってるのだけど。」

「ちょっと僕からはどうも言えないです。すみません、セシルさん。」

「良いのよ、気にしないでちょうだい。」

「そうそう。なぁ~んで君が謝るのかなぁ?僕がそうしてるだけなんだから、君関係ないでしょ?」

「そうですけども……声掠れてます、ロイドさん。風邪が酷くならない内に寝ていた方が良いです。」

「嫌だね。今日中にあげないと僕ならず、君らにもお咎めが来るかもよ?」

「え…私たちもですか?」

「どういう事ですか。」

「コーネリア殿下から、今回の任務の始末書を書けとのお達しを戴いてね。締切りは今日の夜まで。それで僕が必死に書いてる訳。」

「申し訳ないです。僕があんな事態に陥ってしまったから、こんな結果を招いてしまったんです。」

「ほぉ~んと気をつけて欲しいなぁ。ランスロットが無事でも、デヴァイサーである君がああじゃさー。いつ首になっても文句は言えないね。」

「ロイドさん!」

「事実でしょ。たまたまそういう結果にならなかったから良いけど、確実に次はないだろうね。君も良ーく解るだろ、柩木准尉。」

「はい、軍に属している自分がどういう立場か理解はしてます。」

 

「”理解”…ねぇ。」

「ロイドさん!もうそんな責めなくたって良いじゃないですか。」

「ん、どっか問題あるー?」

「有難う御座います、セシルさん。心配して下さって。でも、これは自分の気持ちの問題です。」

「スザク君…あんまり無理はしないでちょうだい。」

「はい、大丈夫です。引き続き任務に就きますので、…失礼します。」

 

 

 

「ふぅーん、君も相当矛盾してるよね。セシル君。」

「え…あ、私はただ。」

「遅かれ早かれさ、人間誰しもいつかは己の矛盾を知ってないと、潰れるのが関の山だよ。僕らは彼をデヴァイサーとして選んで、彼もそれを選択した。ただそれだけの事。 これらのどこを取っても、君が気負いする理由は、一つもないと思うけどねぇ?」

 

「正直、私は……スザク君には軍に居て欲しくないと思ってます。」

「それこそ無理な話だよ~。いっつも君は彼の事になると何かと突っ掛かるねー…よくある同情ってやつかい?」

「せめて心配と言って下さい。スザク君は私たちの家族も同然じゃないですか。」

「カゾク?あはっ、家族ねぇ~。スザク君が息子で、つまり、君は母親みたいな気持ちになる訳だ。ならさ、僕は父親になるの?」

「あ、そうかもしれませんねぇ。ただ、ロイドさんの場合は随分子供っぽい父親になっちゃいますね。……って、あの?」

「んふー、じゃあさじゃあさ。君は僕のお嫁さんになるんだ?」

 

「いいえ、そういう訳じゃありませんよ。」

「えっ、違った?」

「勘違いしないで下さい。」

「えぇーっ!セシル君ったら冷たいなぁ。」

「違うったら違います。もう…今日のおやつは無しにしますよ。」

「あ、それは勘弁して。」

「…分かれば宜しいです。」

「それよりもご飯作ってくれない?僕もうさ、頭限界でへろへろ~…」

「…!ロイドさん、熱上がってます!寝てないと…!」

「う~、あと少しなんだけどなぁ…」

「書き終わったら、私が出して来ますから。寝てて下さい。それから、かき卵粥作って差し上げます。」

「わぁ~い!やたーっ!」

●戻る