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「ロイドさん、起きてます?朝食、ここ置いておきますね。ちゃんと召し上がって下さ~い。」
「……いらなぁ~い。」
「駄目ですよ。食べないと倒れちゃいます。」
「うぅ~ん…」
「どうしました?」
「何でもない、よ。はぁ…頭痛い。」
「あれ?ロイドさんどうしたんですか?おでこに氷枕乗せて」
「あら、スザク君お早う。実はロイドさん、朝から熱があったんだけど…仕事するって聞かないのよ。」
「それで無理にでもしようとしてるんですね。」
「そうなのよ。私もなかなか動けないから、これはどうかと思ってるのだけど。」
「ちょっと僕からはどうも言えないです。すみません、セシルさん。」
「良いのよ、気にしないでちょうだい。」
「そうそう。なぁ~んで君が謝るのかなぁ?僕がそうしてるだけなんだから、君関係ないでしょ?」
「そうですけども……声掠れてます、ロイドさん。風邪が酷くならない内に寝ていた方が良いです。」
「嫌だね。今日中にあげないと僕ならず、君らにもお咎めが来るかもよ?」
「え…私たちもですか?」
「どういう事ですか。」
「コーネリア殿下から、今回の任務の始末書を書けとのお達しを戴いてね。締切りは今日の夜まで。それで僕が必死に書いてる訳。」
「申し訳ないです。僕があんな事態に陥ってしまったから、こんな結果を招いてしまったんです。」
「ほぉ~んと気をつけて欲しいなぁ。ランスロットが無事でも、デヴァイサーである君がああじゃさー。いつ首になっても文句は言えないね。」
「ロイドさん!」
「事実でしょ。たまたまそういう結果にならなかったから良いけど、確実に次はないだろうね。君も良ーく解るだろ、柩木准尉。」
「はい、軍に属している自分がどういう立場か理解はしてます。」
「”理解”…ねぇ。」
「ロイドさん!もうそんな責めなくたって良いじゃないですか。」
「ん、どっか問題あるー?」
「有難う御座います、セシルさん。心配して下さって。でも、これは自分の気持ちの問題です。」
「スザク君…あんまり無理はしないでちょうだい。」
「はい、大丈夫です。引き続き任務に就きますので、…失礼します。」
「ふぅーん、君も相当矛盾してるよね。セシル君。」
「え…あ、私はただ。」
「遅かれ早かれさ、人間誰しもいつかは己の矛盾を知ってないと、潰れるのが関の山だよ。僕らは彼をデヴァイサーとして選んで、彼もそれを選択した。ただそれだけの事。 これらのどこを取っても、君が気負いする理由は、一つもないと思うけどねぇ?」
「正直、私は……スザク君には軍に居て欲しくないと思ってます。」
「それこそ無理な話だよ~。いっつも君は彼の事になると何かと突っ掛かるねー…よくある同情ってやつかい?」
「せめて心配と言って下さい。スザク君は私たちの家族も同然じゃないですか。」
「カゾク?あはっ、家族ねぇ~。スザク君が息子で、つまり、君は母親みたいな気持ちになる訳だ。ならさ、僕は父親になるの?」
「あ、そうかもしれませんねぇ。ただ、ロイドさんの場合は随分子供っぽい父親になっちゃいますね。……って、あの?」
「んふー、じゃあさじゃあさ。君は僕のお嫁さんになるんだ?」
「いいえ、そういう訳じゃありませんよ。」
「えっ、違った?」
「勘違いしないで下さい。」
「えぇーっ!セシル君ったら冷たいなぁ。」
「違うったら違います。もう…今日のおやつは無しにしますよ。」
「あ、それは勘弁して。」
「…分かれば宜しいです。」
「それよりもご飯作ってくれない?僕もうさ、頭限界でへろへろ~…」
「…!ロイドさん、熱上がってます!寝てないと…!」
「う~、あと少しなんだけどなぁ…」
「書き終わったら、私が出して来ますから。寝てて下さい。それから、かき卵粥作って差し上げます。」
「わぁ~い!やたーっ!」
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