●1934年以降でフィーロがシャーネを知っている事が前提のフィーロ+クレアの会話。

 

 

 

『彼はいつまでも少年だった』

 

 

 

 

 

 

 

「不死者になりたいって思わないのかよ。」

「俺は死なないのに何故なる必要があるんだ?」

「なんっだよそれ。」

「『永遠』なんてハナから興味ないさ。シャーネと一緒に年を重ねたいし、人として愛しあっている俺たちには相応しい未来じゃあない。」

「ガキの頃、ピーターパンに憧れてたお前にしちゃ随分とまともな意見だな、オイ。」

「そんな時期もあったか?とにかく今はもう過去だ。それに俺の心はいつだって少年さ。」

「お前、よくもぬけぬけと。俺やキース達相手に散々語ってただろ。……シャーネには聞いてみたのかよ?」

「別に良いんだそうだ。ついでにヒューイの親父さんはどうするんだとも聞いたら、ちょっとな……予想外な言葉をもらった。」

「予想外?お前でも予測出来ないことがある方が初耳だ。」

「そう驚くな。まあ、何というか、男なら愛する人に一度は言われてみたい台詞とやらだ。」

「……は?」

「いいか。良く聞けよ?『私は父さんを助け出すまで何があっても死ぬ訳にはいかない。 けれど、不死者になる事は決して望みはしない。私は人として貴方と老いて死にたいから。』――だそうだ。つまりは俺とずっといてくれると約束してくれたも同じだろう?」

「へぇ……さすがお前の婚約者だよな、シャーネって。」

「そうだろう。羨ましいか?なら、お前もエニスとやらに言ってもらえば良いじゃないか。」

「……あのな、余計お世話だ!」

「男として嘆かわしいな。そんなだから、好きな女にキスの一つも出来やしないんじゃないか?同じ男としては実に不甲斐なく思うぞ。」

「だあっ…!良いから、その話題はもう良いって。」

「いつでも相談に乗ってやるぞ。飲みぐらいなら付き合うさ。」

「……ぜってぇ断る。お前、だいたい俺に食事代払わすだろ。」

「この俺を使うのにそれぐらいで済むんだ。安いものだろ。」

「真顔で偉そうに言うな!良い迷惑だっつの。」

「みみっちいぞフィーロ。」

「お前に言われたくねぇ。……で、クレアお前ってさ。」

「何だ?」

「時たますげぇ人間らしい事言うよな……ほんとたまにだけど。未だにあの二つ名で呼ばれてるとは俺は実感ねぇけど、お前の強さを見ると嫌でも分かるな。」

「……いつも以上に感傷的だなフィーロ。」

「まあ、そうかもな。」

「ならば答えは一つだ。俺は最初から立派な“人間゛だ。」

「やっぱりお前……色んな意味で人間すら超越してるっての。」

「俺が誰より強いのはもはや知っての通りだが。大事な幼馴染に向かって人類外とは、全く失礼な奴だな。」

「だ、誰が大事なだよ…!だいたいお前さ、どっちかと言えば怪物並な強さじゃないか?どうあっても俺、お前とだけは戦いたくねぇ絶対。」

「ははは、賢い選択だな。」

「当たり前だ。こっちがまともじゃないみたいだろ。」

「まあ、心配するな。何せ俺は絶対死なないから。」

「お前相手に心配してねぇし、いい加減その台詞耳に馴染んで怖いっての。」

「それに仮にだ。俺がもし死んでも子孫は残しとくから心配は要らない。シャーネと俺の子孫なら最強の遺伝子だからな。お前やガンドールの兄弟に万が一の事があっても助けるさ。」

「ばっ……馬鹿じゃねぇの!さりげに恥ずかしい台詞吐くな!お前まだ結婚もちゃんとしてないだろ!?」

「まだまだ青いなフィーロ。今は婚約したばかりの段階とはいえ、いずれ俺とシャーネは結婚する。揺るがない決定事項だ。もちろん親父さんにちゃんと挨拶してからな。自分で言うのも変だが……いや、照れるな。」

「そこ照れるとこかよ?」

「はっはっは、俺たちの結婚式には絶対来いよ、フィーロ。」

「……なんつーかもう、すっげぇ馬鹿馬鹿しい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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幼馴染関係の奴等は可愛いよねというはなし。 1934年はフィーロやラッド、クリスとかクレアに関わっている人が思い出して、何かしら代名詞が出て来るので皆に与えた影響強いんだなと改めて再確認。本人出番少ない割りにはちらほら 存在だけは出て来る赤毛マジック(笑) 本編でフィーロがシャーネの事知って、実際会ったらどうなるか楽しみです。

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